1日1日を楽しく生きる

ある日の夏に脳幹出血で倒れ復活日々の日常の日記や最近覚えたてのチャットGPTを使って詩や小説などチャレンジしてます。

小説作成しました。タイトル:『後ろの私』

ミノ711

タイトル:『後ろの私』


第一章:影の気配

秋の夜風が肌をかすめる帰り道だった。街灯が途切れ途切れに並ぶ狭い通りは薄暗く、時折小さく揺れる木の葉の影が道路をざわざわと這い回っている。
「寒い……」と呟きながら私はコートの襟元を握りしめ、足早に歩を進めた。足音がやけに大きく響き、自分以外の誰かの足音が混ざっている気がして、ふと立ち止まる。背中に冷や汗が伝った。

振り返って見ても誰もいない。ただ自分の影が、アスファルトの上に静かに揺れている。だがよく見ると、足元には街灯とは違う方向から伸びる、もうひとつの影が薄く浮かび上がっていた。

「何、これ……?」

胸が締め付けられるように不安が広がる。私は慌てて家に駆け込んだ。
玄関の鏡に映る自分を見て、ほっと息をつく。しかし鏡の奥の私の瞳は、私の知らない冷たい光を宿しているようだった。

第二章:囁き

それ以来、背中に感じる奇妙な気配が、昼も夜も私に付きまとうようになった。
教室で授業を受けているときも、アルバイト先でお客さんに笑顔を見せているときも、私は何度も首を後ろへ向けそうになる衝動を必死で抑えていた。

(……いる。背中に、誰かが。)

その夜も、私はベッドで眠れずに目を閉じていた。枕に耳を押し付けると、かすかな笑い声が響いてくる。

『もう少しだよ』

甘く囁くような声だったが、それは紛れもなく私自身の声だった。
恐怖で鼓動が速まり、私は布団を強く掴んだ。

(怖い、どうしてこんなことが……。)

背後にいる誰かは、私のそんな感情を楽しんでいるようだった。

第三章:目撃

日曜の午後、美香とお気に入りの喫茶店に入った。淡いジャズの流れる落ち着いた空間は、いつもなら心が和らぐ場所だったが、その日は違った。
向かいに座った美香が不意に視線を私の背後に移した途端、彼女の表情が凍りついた。

「どうしたの?」
「……え?いや、あの……あなたの後ろに誰かいる?」

美香の言葉がゆっくりと頭に染み込む。ぞっと背中が冷たくなり、私は思わず振り返る。もちろんそこには誰もいない。

「……誰もいないけど」
「ううん、確かに見えたの。あなたの背中から顔を覗かせた女の子が……あなたそっくりの。」

その瞬間、全身に寒気が走った。
私は震える手を隠すようにコーヒーカップを握りしめたが、心臓はますます強く乱れていった。

第四章:追跡

その夜から、私は明らかに精神を蝕まれ始めていた。
夜道を歩くときには、私の足音に重なるもうひとつの足音がはっきりと聞こえ、追いかけられているような恐怖に息が詰まった。

「お願い、やめて!」

叫びたい気持ちを必死で抑えながら歩いていたそのときだった。

――ガシッ。

突然、背後から肩を掴まれた。私は心臓が止まりそうなほど驚き、反射的に振り向いた。

目の前にいたのは、私自身だった。

私と同じ服、同じ髪、同じ顔。しかしその表情は冷たく無機質で、まるで私の感情をすべて奪ったような、虚ろな瞳だった。

「あなた……誰?」

喉が詰まったように声が出ない。するとその「もうひとりの私」は、薄い笑みを浮かべながら静かに囁いた。

「あなたよ。でも、もうすぐ私が本物になるから」

――本物?

その言葉の意味が頭の中でぐるぐる回り、私は膝から崩れ落ちそうになった。

第五章:入れ替わり

それ以来、私は日に日に自分を見失い始めた。鏡に映る自分が、私の知らない笑みを浮かべるようになり、周囲の人も「最近あなた変わったね」と頻繁に口にした。

ある朝、目を覚ますと奇妙な感覚が襲った。身体は確かに動いている。なのに私の意識は身体から離れ、背中からそれを眺めているようだった。私は焦って身体を動かそうとしたが、全く言うことを聞かない。

私の視線の先で、私の身体を持つ誰かが鏡に向かって笑っている。

「ありがとう。あなたのおかげで、ようやく表に出られた」

私は叫ぼうとしたが、声にならない。ただ背後で泣き叫ぶ感情だけが、行き場を失ったまま宙を漂っていた。

――お願い、返して……私の人生を!

しかし私の想いを無視して、「もうひとりの私」は笑みを深め、悠然と家を出て行った。
私の意識は身体の後ろに閉じ込められ、永遠に孤独な影として、私自身の人生が奪われるのを見続けるしかなかった。

完